筋トレは何回・何セットがいい?
- 3 日前
- 読了時間: 4分
2026年の最新レビューから考える、目的別のトレーニング
トレーニングを始めると、「何回やればいいのか」「何セットが適切なのか」「どのくらい重い重量を使えば効果があるのか」といった疑問が出てきます。
筋トレといえば、思い浮かぶのが「10回3セット」という方法かもしれません。自分も学生の頃、とにかく10回で限界を迎える重量を使うよう教わった記憶があります。
もちろん、10回3セットが間違いというわけではないと思います。ただ、今回のレビューを読むと、筋力・筋肥大・パワーでは、それぞれ効果と関係する負荷やセット数、動作速度に違いがあることがわかります。
今回は、2026年に発表された米国スポーツ医学会(ACSM)のレビューをもとに、目的別のトレーニング条件を見ていきます。なお、今回の報告は、ACSMが2009年に発表した筋力トレーニングのポジションスタンドを、17年ぶりに大きく更新するものでもあります。
137本のレビューをまとめた研究
今回の報告は、ひとつの実験結果をまとめたものではありません。
これまでに発表された137本のシステマティックレビューをさらに分析し、3万人以上のデータをもとに、筋力トレーニングの重量、セット数、頻度、動作速度などが、筋力や筋肥大、身体機能にどのような影響を与えるのかを調べています。
対象は健康な成人です。筋力トレーニングを行った人は、何もしなかった人と比べて、筋力や筋肉量だけでなく、パワー、持久力、歩行速度、バランスなどにも良い変化がみられました。
では、目的によってどのような違いがあったのでしょうか。
筋力を高めたい場合
筋力アップを目指すなら、比較的重い負荷を使う方法が有利となっています。
1回だけ挙げられる最大重量を1RMとした場合、80%1RM以上の負荷でトレーニングを行うと、筋力の向上につながりやすい傾向が示されました。
さらに、1種目あたり2〜3セット、できるだけ大きな可動域を使うこともポイントです。トレーニングの前半にその種目を取り入れ、週2回以上行うことも、筋力の向上と関係していました。
重い重量を扱う種目ほど、疲労が少ないうちに取り組む。そんな組み立てが、筋力を伸ばすうえでは有利になりそうです。
筋肉を大きくしたい場合
筋肥大を目的にする場合は、1回のトレーニング内容だけでなく、1週間を通した総量が重要になります。
今回のレビューでは、ひとつの筋肉につき、週10セット前後以上のトレーニングを行うと、筋肉の発達に有利な傾向がみられました。
筋力アップでは「どのくらい重い重量を扱うか」が目立ちましたが、筋肥大では「1週間でどれだけ刺激を積み重ねるか」がひとつの目安になりそうです。
パワーを高めたい場合
パワーは、筋力や筋肥大とは少し異なる条件が関係していました。
今回のレビューでは、30〜70%1RM程度の負荷を使い、持ち上げる局面をできるだけ速く行うトレーニングが、パワーの向上と結びついていました。
重い重量をゆっくり動かすというより、適度な負荷を使って、素早く力を発揮することがポイントです。
器具や方法の違いについて
フリーウエイト、マシン、チューブ、自重など、器具の種類によって結果が大きく変わる傾向はみられませんでした。
また、毎回限界まで追い込むことや、複雑なメニューを組むことについても、健康な成人に対して一貫した優位性は確認されていません。
つまり、特定の器具や特別な方法でなければ効果が出ない、というわけではなさそうです。目的に合った負荷や量を確保できているかどうかが、より重要になります。
まとめ
今回のレビューからは、目的によって次のような傾向が読み取れます。
・筋力を高めたい場合は、80%1RM以上の比較的重い負荷が有利
・筋肥大では、1部位あたり週10セット前後以上のボリュームが有利
・パワー向上では、30〜70%1RM程度の負荷を素早く動かす方法が有利
・器具の種類や、毎回限界まで追い込むこと、複雑なメニューの有無による一貫した差はみられない
「10回3セット」は、筋トレの代表的な方法のひとつかもしれませんが、それだけが唯一の正解ではありません。
筋力を伸ばしたいのか、筋肉を大きくしたいのか、パワーを高めたいのか。目的が変われば、適した負荷やセット数、動作速度も変わります。
今回のレビューは、トレーニングの回数やセット数を考えるとき、まず目的をはっきりさせることが大切だと教えてくれる内容でした。
※本記事は、健康な成人を対象とした研究結果をもとに、一般的な情報としてご紹介しています。痛みや持病、けがなどがある場合は、医療機関や医師・理学療法士などの指示を優先してください。
参考:
ACSM公式の紹介ページ
原論文「Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults」



コメント